Category: 根暗草子 (4/5)
#10 あとは親を殺す覚悟とか | 根暗草子
上京してからというものの,実家は遠くなりにけり.大学入学で横浜に引っ越してからはしばらく,15年の鬱憤の心理的屈折から実家はかなり遠かった.年に数回実家に帰る同期たちを尻目に,辛うじて4年で2回だけ帰省している.その2回目の帰省で,老いた実[…]
#09 俯瞰の境地 | 根暗草子
数年前に一瞬やる気を出して,そして三日坊主で終わりかけた登山趣味が細々と復活して,カメラ趣味とフュージョンした結果,俯瞰撮影にハマっている.ただ俯瞰で景色を撮っても面白みに欠ける,何か動きのある+1が欲しい.ということで俯瞰撮り鉄というジャ[…]
#08 仮面の世界 | 根暗草子
ここ最近,著名人が過去の言動を「掘られ」て表舞台から追放される件が相次いでいる.「キャンセルカルチャー」と呼ばれ,その危うさを主張される言説も増えてきた.一方で,どれだけアンチキャンセルな主張がされたところで,しばらくはキャンセルカルチャー[…]
#07 物理的心理的マージンとその連環 | 根暗草子
Side. Physical根暗陰キャの歩行は速い.自キャラの運転する車の速度がAIの標準的なそれより明らかに早いグランド・セフト・オートの如く,スイスイと他人を追い抜いて歩くのを好む.理由は分からないが根暗陰キャは歩くのが速いと相場が決ま[…]
#06 記憶の中の吐き気を催した桜並木 | 根暗草子
一番印象に残っていることと言われると,入社式の日の通勤を思い出す.ぼんやりと窓の外を眺めていると神田川沿いに満開の桜が一瞬見えて,ああ,これから40年なり50年,こうやってただ毎朝電車に揺られていくしかないんだな,と思って吐き気を催したのを[…]
#05 新しい朝なんて来なければいいのに | 根暗草子
朝早く家の近くを歩いていると,小学生くらいの子どもが小走りに駆け抜けていった.季節は春.ラジオ体操をする季節でもないのに,なんでこんな時間から子どもがいるんだろう,と思った.子どもはだいたい,朝早くにひとりで出歩かない.自分の限定された経験[…]