Bluelight Sonata

2024-02-25

02. 私を待つ人がいるらしい | Letter from Havana

the ordinary life on Muralla Ave.

今回久しぶりに海外旅行と洒落込むにあたりAirTagを購入した.……正確に言うと,AirTagっぽいパチもんを購入した.…………更に言うと,年末年始のセールで購入している.どれだけ節約すれば気が済むんだという感じである.

キューバ・ハバナの空港は正直あまりいい噂はなくて,預け荷物が当然のようにロストしたとか,荷物が出てくるまで2時間掛かったとか,2時間待って出てきた荷物はチャックをガッツリ壊されて中身が盗まれてたとか,そういうレビューは枚挙に暇がない.GoogleMapのレビュー平均は驚きの2.8である.非常に怖い.

しかも今回はメキシコでのトランジットがある.古のインターネットでは「1+1は2じゃないぞ。オレたちは1+1で200だ!10倍だぞ10倍」という迷言がある.つまり今回の旅行でロストバゲージに遭遇するリスクは10倍である.だからAirTagもどきを買ってみた.


結論から言うとロストバゲージは起きなかった.もっと言うとキューバ・ハバナのホセ・マルティ国際空港はそんなに悪いところではなかった.GoogleMapのレビューでは「エアコンが止まっており灼熱」なんていうレビューもありどんな酷い目に遭うかと思っていたのだが,冷房もガンガン効いていたし,預け荷物の受け取りまでもさほど時間はかからなかった.ただし,トイレの便座は当たり前のようになかった.あと水を売店で買おうとしたらキューバ・ペソが使えず米ドルで支払えと言われた.どうなってんだ.おかげで大量のペソを抱えたまま帰国する羽目になった.

そんなこんなでAirTagもどきが効果を発揮することはなく無事に旅行を終えた.もともと保険のつもりで買っていたので,役に立たなかったとは言えど,それで良い.AirTagもどきが大活躍するようなシチュエーションになっていたら,もっと苦労していたということだ.


ハバナ旧市街にて.日常の脇にガス爆発で吹き飛んだホテルが佇んでいる.

そういうわけで役目を終えたAirTagもどきは自宅のクローゼットにしまい込んだリュックの奥底に眠っている.海外旅行でしか使わないだろうし,しばらく出番はないだろう.

ただ,出先で「探す」アプリを開くと,一人暮らしなので家で待っている人はいないけれど,そこにAirTagもどきが"いる"のがわかるのが,どういうわけか少しだけ愛おしい.今度から家に着いたら「ただいま」って言ってみようか,AirTagもどきに向けて.

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